鳥谷敬選手とわたし。
鳥谷敬選手。
阪神タイガースの背番号1。プロ入りから14年目。生え抜きのベテランとして、チームを支えている男(のはず)
今となってはプロ野球ファンなら知らない人はいないのではないかと思うし、プロ野球ファンでなくても名前は知っているという人も多いのでは。
そんな彼が、あと9本で通算2000本安打という偉業を達成する。
わたしは鳥谷さんが阪神タイガースに入団することが決まり、必然的に、というべきか阪神ファンになった。
早稲田時代の鳥谷さんを好きになったきっかけは良く覚えていない。たぶん、一目惚れとかそんなだと思う。今もかっこいいけど、ほんとフレッシュでかっこよかったし。そんなもんだよね、入り口は。
プロ1年目のシーズンは、もう。そりゃあもう厳しく辛いものだった。
わたしが辛かったんだから、本人はもっと辛かったはずだ。
前年優勝時のレギュラー、藤本選手からショートのポジションを奪った形で開幕し、成績振るわず、わずか5試合でスタメン落ち。
なんといってもあっちゃん(藤本選手)はとても人気があった。突然新人にポジションを奪われることをよく思わないファンもいた。
もう良く覚えてないけど、ヤジも批判もたくさんあったな……。球場で鳥谷グッズを身につけてると、鳥谷はあかんよ〜って言われることもあった。
もちろん、あの時ヤジ飛ばしてた人、批判してた人に何か言うつもりはない。だって、プロ選手だもん。活躍してなんぼの世界。優勝するために戦ってる。ファンもみんな、優勝したくて一緒に戦ってるんだから。でも本当に、そんなしんどい時代もあって今があるんだよと。
そういうわけで、決して華々しいデビューではなかった。
それどころか、本当に辛いシーズンだったと思う。もう消えちゃったけど、シーズン終了後のインタビューで、「だれかに慰めて欲しいと思った時もあった」と受け答えしているのが、強く印象に残っている。
それでも、わたしは鳥谷さんが好きだった。応援したいと思った。
記事やインタビューでしか読み取れなかったけど、本当に努力されてる方だったから。
毎年書いていくと長くなるので、飛ばして去年の話。
実はわたし、2016年はほとんど野球を見ていませんでした。
それでも入ってくる、鳥谷さんの不振の話。
スポーツ紙の一面を飾る、ファン激怒 鳥谷外せ みたいな文字。
最初はみんな、「ゆうてここまで鳥谷が支えて来てくれたんだから」と少しは優しく見守ってくれていたように思う。
けど、いつまで経っても上がらない調子。そして、普通の選手だったらすぐにスタメン落ちしてたかもしれない。2軍落ちをしていたかもしれない。
それをできない理由が、連続フルイニング出場記録にあったと思う。結局667試合で途切れ、金本兄貴の持つ記録の半分にも届かなかった。
けど、ファンも我慢の限界だったようだし、仕方のないことだったと思う。
ただ、怪我をしない、怪我をしてもそれを見せずに繋げて来た記録。あまりにもあっけなくて、不振の鳥谷さんから目をそらしていたくせに、とても悲しかった。ファンっていう生き物は自分勝手だね。
2年目以降、着実に成績を上げ、派手ではないもののチームの要として信頼を得ていた鳥谷さんが、こんな風に叩かれる日が来るなんて。受け入れたくなかったんだよね。
そして今年。ショートのポジションを若手に譲る形になり、サードでのスタート。
去年の恐ろしい記憶。オープン戦での失策の多さ…
もしかしたら、もうだめなのかな。
今年ダメだったら、引退とかいう話になるのかな。
そんな風に思ったこともあった。
でも、
見事に復活して、大記録を達成しようとしてる。
もうねえ、なんていったらいいのか、わからない。嬉しいのに、言葉が出てきそうにない。
正直、3年目、いや4年目くらいまでは記録に残る選手にはなれないかもしれないなって勝手に思ってた。
大変、失礼いたしました。
わたしが鳥谷さんを好きな理由はたくさんある。けど、1番はやっぱり、地味なところ。こんなこといったら怒られちゃうかな。
かっこいいし、たくさん賞も取ってる。オールスターにもいっぱい出たし、記録もいろいろある。でもけっして派手じゃないと思うんだよね。それはご本人が大変クールなイメージな方だからかもしれないけど。
そんな鳥谷さんが、この長いプロ野球の歴史の中で、50人くらい(曖昧ですまない)しか達成してない大記録の目の前にいるんですよ。
1000本安打のときも1500本安打のときも、「まじで!?もう?」みたいな感じで、実感がなかったんだけど。今回はさすがにわたしもそわそわしてる。
14年間。わたしは頻繁に球場に通ったり、キャンプに行ったりするアクティブなファンではなかった。
けど、鳥谷さんが好きという気持ちは、ずっと変わらなくて、ずっと尊敬してる。
わたしは鳥谷さんにとっては全国にいるファンの中の1人だけど、わたしにとっての鳥谷さんは、野球人生そのもの。青春も捧げた。たくさん嬉しい思いをさせてもらった。大切な思い出をたくさんもらった。
ここ数年のわたしは阪神の優勝より鳥谷さんの最終成績が気になるダメなファンだったけど。
もう一度鳥谷さんがいる阪神タイガースで、優勝してほしい。
そしてわたしが見たことのない日本一を見せて欲しい。
2000本安打も、もしかしたら鳥谷さんにとっては通過点なのかもしれない。
でもわたしにとっても、鳥谷さんが現役を引退するまでの記録は、通過点でしかないかな。
衣笠さんに並んで、追い越す日が来るのを、わたしも一緒に歳を重ねながら楽しみに待っていようと思います。
わたしにとって唯一無二の、大好きな野球選手、鳥谷敬選手。
きっとこれからも努力を怠らずに進んでいくことでしょう。
2000本安打を達成したらただでさえ遠かったのにもっと遠い存在になってしまうな。つまり変わらないか。笑
考えたくないし想像つかないけど、現役を退くまで、ずっと応援していきます!